人間工学と関係、パリとフランスのデザイナー

物や環境を人が自然な動きや状態で使えるように設計する工学、あるいは、人の物理的な形状や動作、生理的な反応や変化、心理的な感情の変化などを研究して、実際のデザインに活かす学問をさす。人間工学の考えに基づいて設計された物の例としては、負担がかかりにくい椅子や、使用者の高さによってキーボードの高さを調節できるトレイがある机、長時間筆記しても疲れにくいシャープペンシルなどが挙げられる。人間工学は、米国ではヒューマンファクター(Human Factors)、欧州ではエルゴノミクス(Ergonomics)と呼ばれる。Ergonomicsはギリシャ語のergon(働く)とnomoi(自然な状態、自然法)から作られた造語である。

環境デザインとはまた関係のデザインであり、関係には空間的な関係、時間的な関係、社会的な関係がある。場所のデザインなら近隣との関係、周辺との関係が生じる。建築をつくれば影が生まれ、風をさえぎり、音が生じ視線が生じる場合もあるなどの関係が生じる。その関係をどのように空間的に調整するかなど、相互の関係を調整しよい方向に成立するようにする。コミュニティ形成は地域の生活の営みのなかに世代や国籍や障害を越えて交流を組み立ててゆく緩やかな関係のデザインを意味する。これは日常の緩やかなつながりに対する他者からの強い働きかけや物理的な災害などにあったときに日頃の蓄積を前堤にした連帯が通じ創造的な対話をうながして力を発揮するからで、関係のデザインが具体的な働きかけをともなうときさまざまなメディアが生み出され、かたちがつくりだされるのである。

アール・ヌーヴォーはパリの無数の建物に影響を与えたのは勿論、ヴァル=ド=マルヌやエソンヌやセーヌ=サン=ドニといったパリ近郊を散歩するとよく目にする、大半が20世紀初頭に建造された珪石造の数多くの古い別荘にも非常に大きな影響を与えている。錬鉄の大胆な使用、煉瓦と陶器による装飾、切妻と時として小塔がこれらの特徴となっている。こうした郊外でフランスの建築家たちは、アカデミズムとは対照的に総体的なものであろうとしたアール・ヌーヴォーが端緒となった新しい素材と新しい様式を実験したのである。第一次世界大戦を境に、様式化が進みコスト高でもあったアール・ヌーヴォーのデザインは、流線型で直進的であり安価に製造できる、ラフで簡素で工業的な美意識に忠実であると考えられたモダニズム的なデザインへと変化して行った。アール・デコである(1920-1940)。

アール・ヌーヴォーという言葉はパリの美術商、サミュエル・ビングの店の名前から一般化した。この言葉で狭義にベル・エポックのフランスの装飾美術を指す場合と、広義にアーツ・アンド・クラフツ以降、世紀末美術、ガウディの建築までを含めた各国の傾向を総称する場合とがある。国によって次のようにも呼ばれているが、これらの様式の大部分にはそれほど大きな違いはない―― 「ティファニー」(アメリカ合衆国。ルイス・カムフォート・ティファニーの名による)、「ユーゲント・シュティール(ドイツ。雑誌『ユーゲント』から)、「ウィーン分離派」(オーストリア)、「ネーウェ・クンスト」(オランダ)、「スティレ・リベルティ」(イタリア。リバティ百貨店から)、「モデルニスモ」(スペイン)、「スティル・サパン」(スイス)、「スティル・モデルヌ」(ロシア)、「モダン・スタイル」(イギリス)など。フランスでは、アール・ヌーヴォーは批判者からは、特徴的なアラベスクなフォルムから「ヌーイ様式」(麺類様式)、またエクトール・ギマールにより1900年に実現されたパリ地下鉄のこの様式の出入口から「メトロ様式」などとも呼ばれた。

視覚領域において意匠計画や図案、設計を手掛ける人のこと。日本で単に「デザイナー」という場合、主にグラフィックデザインや家具設計、服飾、工業デザインの分野の人物を指すことが多い。デザインはあらゆる分野に関わるものであり、広がる現状がある。これらの肩書きを名乗るには資格は特に必要ではない事から様々な分野の人物に「○○デザイナー」という肩書きを付けることが増加している。(特に近年、本来の設計・デザインより外れた業種、業態にも利用されることがある)デザイナーというこれらの職業にはクライアントや依頼主が存在し、それら発注者の意図にデザインで応じる仕事である。作品をあらかじめ制作、創作し、これを提供する作家や芸術家とに違いがある。

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